便秘が最近ひどいのですが?」「便秘によい生活習慣は?」などの便秘に関する訴えも多いようです。 便秘が最近ひどい場合、やはり大腸癌がないかを確認する必要があります。一般的に大腸癌は若い人には少ない病気です。若い人の便秘ではすぐに大腸の検査をしません。しかし(非常に稀なことなのですが)「ただの便秘でしょう」と様子をみていたら実は若年性大腸ガンであったということもあります。若い患者さんでも経過がおかしいようでしたら要注意です。

以下の点に注意してみましょう。つまり、生活習慣を見直すことも必要なのです。

朝食をほどよくとっていますか?
排便で重要なのは大腸が収縮運動(ぜんどう運動)して、便を送り出すことです。このぜんどう運動は1日中同じようにあるわけではありません。朝食をとると、ぜんどう運動がおきることがわかっています(胃結腸反射) 。便秘とは「胃結腸反射の低下」のことなのです。胃結腸反射をスムーズにおこすためには朝、ちゃんと食事をとり食後、一服する余裕が必要です。

運動不足では?
運動不足になりますと大腸のぜんどう運動が低下し胃結腸反射が弱まり便秘となります。典型的なのは病院に入院した患者さんです。一日中ベットで安静にしているため、ほとんどの方が便秘になります。

野菜をとっていますか?
野菜のなかの食物繊維は便を ほどよく硬くし、大腸粘膜に刺激を与え胃結腸反射をおこす「もと」となります。また野菜は最も強力な大腸ガン抑制食物です。お年よりで便秘で悩んでいる方は柔らかいものを好むようになり野菜がへっていることがあります。

糖尿病、甲状腺の病気に注意
糖尿病がひどくなると体のいたるところで「神経麻痺」を合併します。尿がでにくくなったり、便秘で苦しむようになります。また甲状腺の病気は女性に非常に頻度の多いホルモンの病気なのですが、甲状腺の機能が低下するとひどい便秘になります。いずれもインスリンや甲状腺ホルモン補充などの適切な治療で改善します。 よく使われる血圧の薬「カルシウム拮抗剤」や胃潰瘍の薬「スクラルファート」、精神科で使う抗精神薬などがしばしば便秘をおこします。これらは長期に飲みつづける薬なので便秘は無視できません。同じ効果の薬で便秘にならないものがありますので処方した医師に相談してください 。

浣腸治療(大腸洗浄)は医学的に根拠があるのか?
女性週刊誌などでとりあげられる「浣腸治療」はひどい便秘に対する究極の治療かもしれません。大腸内視鏡の時に下剤を飲んで大腸を空っぽにするのですが、通常の方は「下剤で何度もトイレにいくのがしんどい」というのですが便秘症の方は「宿便がとれてこんなにお腹がすっきりしたのは初めて」と喜んでもらえます。確かに、浣腸(正確には高圧浣腸とか洗腸といいます)によりお腹がすっきりして気分爽快になる効果はあります。しかし、これが美容によいとか大腸ガンの予防になるとは考えられません。しかしながら、上記の生活習慣をよく理解し大腸洗浄を利用するのであれば医師のもとで施行することに害はないと思われます。

下剤でも効かない「高度便秘症」の最後の治療法
高度の便秘のため腸閉塞を起こし入院をくりかえす方もいます(宿便性イレウス)。この場合な大腸が長すぎてとぐろをまいていることが原因のことがあります(S字結腸過長症)。過長なS字結腸を切除することで治療できます。最近は腹腔鏡手術をおこなう専門病院もありますので術後の傷がほとんどわからないように手術できますので女性の方にもおすすめできます。